あかり(2) |
二人が知り合いのはずないのに佐為があかりを口説いている。音は聞こえない。最初は不審者を見るように佐為を見ていたあかりが段々親しげになりさりげなく佐為はあかりの肩を抱いている。ヤメロ サイ二人は口づけを交わし、肩をもみ合ったりマッサ−ジをしあっている風である。ヤメテクレ アカリ佐為があかりの服を少しずつ脱がしている。あかりはいやがっていない。ナンデダ アカリオレの声は二人には聞こえない裸のあかりをうつぶせにし、服を着たままの佐為があかりの背中や脚などをマッサージしている。くすぐったいのかあかりが時々身をよじる。あかりの全身が少しずつ火照っていっているようである。見ていたくない。目を閉じたくても閉じられない。手で目を覆いたくてもできない。見たくはないが見ていなくてはならない。気が付くと既に佐為も既に何も身につけていない。佐為はあかりの背中に跨りあかりの胸をもんでいる。オレはこの二人を少し離れたところから見ているだけのはずなのに手にはあかりの胸の感触があるような気がする。佐為が左手を胸からはずしあかりの内股のあたりに動かした。オレの左手がヌルヌルした物にさわってしまったような感覚だ。あかりがなにかに驚いたようにのけぞった。佐為があかりを仰向けにし上から覆い被さり右の乳首を吸っている自分の体も火照ってきた。佐為があかりに侵入しているのがわかる。佐為はあかりの反応を楽しんでいるようだ。いや、違う。佐為が楽しんでいるのはオレの反応だ。佐為があかりの中へ解き放った。そして気が付くと佐為ではなく自分があかりの中へ侵入していた。そしてあかりも佐為ではなくオレが侵入していることに気づいたあかりの表情が歓喜から恐怖に代わりそして膣痙攣を起こしオレを締め付ける。このままではオレはちぎれてしまう。コレ ハ イツモ ノ サイ ノ バツ ダ手合の相手が女の子の時、対局中にあらぬ妄想をして集中力が切れると佐為はその夜、夢の中でいつもこの罰をオレに与える。なんであかりなんだあかりじゃなくてもいいじゃないかと言えばあなたがあかりちゃんを選んでいるんですよ。あなたが一人で悪さをしようとするときは相手は三谷君のお姉さんだったり街で見かけた綺麗なご婦人だったりするけど最後の方はいつもあかりちゃんじゃありませんか。罰というのは効果がなければ意味がないですからね。もし、あなたがあかりちゃんを口説いても急ぎすぎるとはじめての時は同じことが起きると思いますよ。あかりちゃんは全く経験がないですからね。ご婦人がはじめての時はゆっくりと事を運ばなければ。今で言うマッサージをお互いにするというのも有効ですよ。最初は二人とも服を着たままでいいですよ。お互い同士が触れ合うことになれてからです。私の時代はですから婚姻に三日もかけたのですよ。対局中に集中力を欠くから罰を与えなければならなくなるのです。罰を与えられたくないのなら対局中は自制しなさい。これはあかりちゃんに対する自制心の訓練でもあるんです。ご婦人とあのようにふれあうのはとても楽しいことです。男にとっては囲碁よりも楽しいことです。あなたが本当にこれを知ったら囲碁のことなど忘れてしまうかもしれません。あなたが十七になればわたしも止めはしませんがそれまでは我慢なさい。アレ オカシイゾ サイ ハ イナクナッタ ノニオレは今度こそ目が覚めた。もう、一年以上この夢は見ていなかったのに。佐為がいなくなってからは一度も。隣の部屋にあかりが寝ているせいかもしれない。おじさんの出張中に、おばさんが用事があって田舎へ一週間行かなきゃいけなくなった。ひかり姉ちゃんも地方の大学へ行くためこの春に家を出た。あかりは夏休みの補講があるからこちらに残ることになったけど女の子一人じゃ危ないからとおばさんが帰ってくるまでウチに来ることになった。ウチも親父が1ヶ月海外出張でいない。本当はもっと早い時期に短い出張だったはずが春の肺炎騒ぎで延期になった分延びてしまったそうだ。あかりは高校入学と同時におばさんのいいつけで日舞と茶道と華道を習いはじめていた。高校の間だけいいからという約束らしい。着物に慣れるためとか言って学校から帰ってくると浴衣に着替えるようになっていて、色っぽくてドキドキした。トイレに行きたくなった。トイレから部屋に戻ろうとするとあかりがオレを呼んでいるような気がした。あかりのいる部屋をみると少しドアが開いている。部屋は暗いが廊下が明るいので白っぽい浴衣を着たあかりがぼんやり見えた。あかりが小さな声でオレの名を言っているのが聞こえた。でも寝言のようだ。あかりの片手は浴衣の中の自分の胸を、もう片方の手は浴衣の裾の間に入っているのが見えた。オレは見てはいけないものを見てしまったような気がしてあかりの部屋のドアを閉め自分の部屋に戻り。口の中で「自制心、自制心」と何度も唱えた。体の反応は止められなかったが、あかりの部屋へ行くことはどうにか我慢できた。次の日の朝、朝食を食べているあかりはいつもと同じだった。昨夜のあれはオレの夢だったのかもしれないと思えた。オレはじーちゃんと対局の約束があったのでじーちゃんちに行った。対局後じーちゃんが驚くことを言った。オレが17だというのだ。誕生日前だからまだ15だと言ったらそりゃ、満でだろ。数えで言えばおまえは十七じゃないか昔だったら元服が終わってるだろ数えってなんだよ。ジーちゃんの説明によるとずーと昔から終戦前までの歳の数え方で生まれた瞬間が1歳。最初の元旦で2歳。あとは毎年元旦に1歳ずつ増えてゆく。だから元旦に自分の満の歳に2歳足すと数えになるそうだ平安時代もそうだったのかときくとそうだという答えが返ってきた。佐為がいた頃、歳の数え方でずれを感じたのはこのせいだっかのか。オレはこの前の正月は今と同じ満15だから数えは17オレは自分の顔が赤くなるのを感じた。「あなたが十七になればわたしも止めはしませんがそれまでは我慢なさい。」って今のオレはokってことなのか佐為。答えは返ってこなかった。家に帰り部屋で秀策のいや佐為の棋譜を並べていると浴衣に着替えたあかりが夕飯を呼びに来た。もう、風呂に入ったのかシャンプーの残り香がした。夕飯の途中で電話が鳴りオレが出ると母さんのいとこの静岡の孝夫おじさんだった。せっぱ詰まった声で母さんと代わってくれと言われた。電話を終えたかあさんは困った顔で「静岡に行かなきゃならなくなったの」静岡のばあちゃん(かあさんの伯母さんでかあさんのことを小さい頃亡くした自分の娘のうまれかわりだと思っている)と信子おばさん(孝夫おじさんのおくさん)が部屋の模様替えをしていて食卓を動かそうとして二人同時にぎっくり腰になりおじさんが帰ってくるのを二人で待っていたそうだ。ばあちゃんの方は念のため入院になったけどおばさんが付き添えないので頼みたいと言う電話だった。かあさんは二人でじいちゃんのところへ行くかときいてきたがじいちゃんとばあちゃんはあさってから北海道へ行く予定だ。ばあちゃんが楽しみにしてると言うと渋い顔になった。母さんはじいちゃんとは仲がいいがばあちゃんとはそうでもない。あかりは二人でも大丈夫だと言うがホントのこというとオレは自信がない。母さんはあかりのおばさんがいいといったらいいけど、だめだったらあかりちゃんはホテルをとるからそこに行ってねと言っておばさんに電話をした。おばさんに母さんが事情を説明しホテルのことも言った。あかりが電話を代わった。ホテルに一人は怖いからウチがいいと言い説得した。明るい顔で母さんと電話を代わった。かあさんが「ヒカルとふたりっきりじゃ...。」受話器からは「そうなったらそうなったで...。」ときこえた。「ヒカル、おばさんが話したいって」「ヒカル君、あかりのことよろしくね。お母さんとかわってくれる」母さんは心配そうな顔をして静岡へ行った。オレたち二人だけを家に残して。二人で家中を戸締まりしてオレが風呂から上がってくるとあかりは食卓で勉強していた。一局打って欲しいとあかりに言われオレは承知した。オレの部屋に上がり準備をしていたら指先がふるえてきた。このままではあかりにばれると思いオレは目隠し碁にしようと提案した。一局が終わりあかりは自分の部屋へ行った。どうすればいいんだよ佐為そのまま眠ってしまったらしい目が覚めて時計を見たら2時だった。窓の外が光った雷だあかりは小学校の時に校庭に落ちた雷で木が燃え上がったの見て以来雷がだめなんだ。気が付かなきゃいいけどとおもったらドアが開いておびえた顔のあかりがいた。一緒にいてもいいヒカルそんな顔されたらだめだなんて言えない。じゃあ、おまえの布団持ってこようううん、ヒカルのベッドにいっしょでいい、手を握ってて欲しい雷がやむまで。終わったら部屋に戻るから。どこかで目覚ましが為ってる、あかりの部屋からだ。なんでなりやまないんだろう。目を覚ますとあかりの唇が目の前にあった。あかりの浴衣は前がはだけている。オレ、まさか。大丈夫だ、オレはジャージを脱いでいない。刺激的すぎる。やべ、あかりにばれる、トイレいこ。そのまえに目覚まし止めなきゃ。部屋に戻るとあかりが目を覚ましていた。浴衣はきちんとしていた。あたしどうしてヒカルの部屋にいるんだろ。と顔を赤らめながらあかりが言った。ほら、母さんが静岡で、雷が。オレはシドロモドロにいった。おもいだした。だから目覚まし6時半にしたんだ。ヒカル、朝ご飯用意するからね。それまでもう一度寝てていいよ。7時半、呼ばれて目を覚まして着替えて下に降りて行くと朝ご飯ができていて、もう制服に着替えたあかりがいた。今日、手合いがあると知っていてオレの分の弁当もあった。今日は低段のだから塔矢も和谷も伊角さんや門脇さんもいるんだぞ。手合いの帰り雨に降られた。あかりはまだ帰っていないみたいだ。留守電にかあさんから4日くらい帰れないとはいっていた 。あかりのおばさんと同じ日になりそうだ。とりあえずシャワーを浴びてその間に風呂を沸かそう。風呂につかっていたらドアが開いて裸のあかりが入ってきた。びしょぬれだ、顔色も悪い。あかりも驚いたみたいだ。オレ出るよ。あ、タオルない。ちょっと目つぶっててくれ。あかりがチカラのない笑顔で「いいよ、出たら教えて」といってドアを閉めた。あかりの体はふるえていた。オレはタオルも巻かずに風呂から出た。部屋に戻ったと思ったあかりが裸のまま洗面所でうずくまっている。どうしたんだ。あかりの体はひどく冷えていた。オレはあかりをだきかかえたまま風呂に入った。風呂の温度設定を高めにして熱いシャワーをあかりの体に降り注ぐ。あかりはオレに抱きついたままだ。少しずつあかりの顔色が良くなってきた。ありがとうヒカル。オレが返事を返す前にオレの体が反応してしまった。湯の色が乳白色になってしまい。オレもあかりも顔を真っ赤にしてしまった。あかりが口を開いた。真剣な目をしてる。11月わたしの具合が悪くなった次の日みんなに呼び出されたときいったことはホント?わたしはヒカルが好きなのヒカルは私のこと好き?お姉ちゃんよりもその晩から母さんたちが帰ってくる日までオレたちは1階の和室に布団を並べて寝ることにした。佐為の教訓の通りあせらずにすこしずつ。オレたちが結ばれたのは母さんたちが帰ってくる前の晩だった。オレは中出ししてしまった。もし、子どもができてたら、オレは産んで欲しい。あかりの子どもだから絶対かわいいにきまっている。佐為、あかりはどう思っているんだろう。 |
2006 年 12 月 30 日作成
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